シューズクロークは、「シューズインクローゼット」や「土間収納」と呼ばれることもあります。靴だけでなく、傘やテント、ゴルフバッグやスキー板など、荷物の多いファミリーに便利な収納スペースです。
しかし、家屋内でそれなりに床面積をとる施設のため、間取りに影響がでてくるため「シューズクロークはいらないのではないか?」「シューズクロークは不要」という意見もあります。
ここでは、散らかりがちな玄関をスッキリさせてくれるシューズクロークに関して、メリットや設置するときのポイント、シューズクロークの種類、設計時の注意点を解説します。
この記事の目次
シューズクロークとは
シューズクロークとは、玄関につながった靴をはいたまま利用できる収納スペースのことです。靴だけでなく、いろいろなものを収納できます。室内に持ち込みにくいものの保管場所に便利なスペースです。
シューズクロークのメリット
シューズクロークを設置すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。玄関の見た目の印象や住まいの機能面など、たくさんのメリットを紹介します。
1.玄関がスッキリする
シューズクロークの最大のメリットは、玄関がスッキリすること。下駄箱などに比べて収納力に優れ、家族全員の靴がしっかり収納できるので、人数の多い家庭におすすめです。毎日履く靴を玄関に出しっぱなしにしてしまうこともなくなるでしょう。生活感が抑えられスタイリッシュな玄関インテリアが楽しめます。
2.お客様用と家族用に玄関を分けられる
玄関と玄関ホールの2カ所に入口を設けたウォークスルータイプなら、玄関を2つに分けて使用できます。玄関はお客様用の表玄関として、シューズクロークを家族用の内玄関として使えるので便利です。
3.外で使うアイテムをまとめて収納できる
シューズクロークには、傘や、ベビーカー、小さな子どもの外遊び用グッズやスポーツ用品、キャンプ用品やアウトドア用品、水や食料などの災害時の備蓄品、防災グッズなど、多様なアイテムをまとめて収納できます。土足で出入りする場所なので多少の汚れは気になりませんし、土汚れが付いたものを室内に持ち込まずに済むので便利です。外出時に手軽に持ち出しやすく、片づけやすい点も魅力ですね。
4.外出時や帰宅時の動線が短縮できる
シューズクロークがあれば、靴だけでなく傘やアウター、ベビーカーなどを1カ所にまとめて収納可能です。靴は下駄箱に、コートは寝室のクローゼットに、ベビーカーはガレージにと複数の場所を回る必要もありません。外出の準備や帰宅後の片付けがさっと整うので便利ですし、外出時の身支度や帰宅後の片付けの動線を短くできます。
シューズクローク設置の注意点
続いて、シューズクローク設置の注意点も考えてみましょう。自分の生活に合ったシューズクロークを設置することがポイントです。
1.玄関スペースが狭くなる
シューズクロークには下駄箱よりも広いスペースが必要なので、玄関スペースが狭くなることも考えられます。住まい全体のバランス、必要な部屋数、居住人数や年齢構成などを考えて、暮らしに合ったシューズクロークを計画してください。例えば4人家族では2畳、ゴルフバッグやベビーカーなど大きなものを置く場合は3畳ほどの広さがあると良いでしょう。玄関スペースが狭くなっても、スッキリ片付いていると狭苦しくは感じません。
2.湿気やニオイがこもりやすい
風通しが悪いシューズクロークでは、湿気やニオイがこもりやすくなります。ニオイを気にして扉を閉めたままにしておくと、カビが発生しやすくなるので注意してください。扉がないオープンタイプのシューズクロークは、家の中にニオイが広がることもあります。窓や換気扇の設置など、換気対策を忘れないようにしましょう。
3.物置き状態になりやすい
シューズクロークは大容量が魅力の1つですが、なんでも適当に押し込んでしまうと使い勝手が悪くなってしまいます。物置状態にならないように、使い勝手を考えてトランクルームを併設したりポールを取り付けたりするのもおすすめです。家族みんなが、不要な物をためこまないよう定期的に整理をするようにしましょう。
4.ホコリや汚れがたまりやすい
シューズクロークは、外で使うものをそのまま、収納するため、他の部屋と異なり、ホコリや土埃がたまりやすい傾向にあります。部屋の掃除とは違う方法で掃除をする必要があります。
シューズクロークのタイプ
シューズクロークにはいろいろなタイプがありますが、ポイントは動線と扉の有無。それぞれの特徴を知ると、どのタイプのシューズクロークが今の暮らしに適しているのかを選択しやすくなるでしょう。
【動線】出入口が1つの「ウォークインタイプ」
出入口が1つのシューズクロークは、ウォークインタイプと呼ばれています。イメージとしては、ウォークインクローゼットの靴バージョンです。玄関横に収納用の小部屋を設けるように作られます。
【動線】出入口が2つの「ウォークスルータイプ」
出入口が2つあるシューズクロークは、ウォークスルータイプ。玄関からリビングへ通り抜けられるので、動線が短縮できます。シューズクローク内で靴の脱ぎ着もできますが、その分スペースが必要になります。
【扉】扉のない「オープンタイプ」
シューズクロークに扉をつけないオープンタイプは、靴の出し入れが楽にできます。玄関から丸見えにならないよう、レイアウトに工夫を凝らすと良いでしょう。扉がない分、施工費が安く抑えられます。
【扉】扉のある「クローズタイプ」
シューズクロークに扉をつけるクローズタイプは、収納しているものが見えないのでスッキリします。扉にはいくつかの種類があるので、ライフスタイルに合ったものを選びましょう。ドアタイプは、開閉にスペースが必要です。折れ戸タイプは、開閉スペースは少ないのですが、間口が狭くなるので大きな物の出し入れがしにくくなるかもしれません。引き戸タイプは、開閉のためのスペースは必要ありませんが、戸を引き入れる構造が必要です。
シューズクローク内の棚設置は4タイプ
シューズクローク内の収納棚設置には、I型とⅡ型、L型、U型の4種類があります。I型は、出入口の正面にのみ一列の収納棚があるタイプ。Ⅱ型は、出入口の両脇の壁に向かい合うように棚があります。L型は、出入口の正面と隣接する左右の壁のどちらかに棚があるレイアウトです。U型は、出入口のある壁以外の3面に棚を設置しています。スペースと収納したい物などを考慮して選んでください。
シューズクロークの設置で失敗しないためのコツ
続いて、新築で戸建て住宅を設計する場合に、取り入れたいシューズクロークアイディアを紹介します。
1.動線をしっかりイメージする
玄関→シューズクローク→室内の動線を具体的にイメージしながら、シューズクロークが本当に必要かどうかの検討を含めて計画を練りましょう。シューズクローク内にアウターをかけるポールや手洗いを設置すると、ウォークスルーする必然性が生まれるので使いやすくなります。キッチンパントリーやファミリークローゼットをシューズクロークと一体化させると、生活動線が短縮できて家全体の省スペースにもなるでしょう。
2.収納するモノに合わせて考える
靴だけでなく、スポーツ用品や外遊びグッズ、ベビーカーなどを収納するなら、土汚れが気にならず掃除がしやすい土間床やタイル床がおすすめです。収納するモノに合わせて棚板のサイズや幅、ポールなどを組み合わせた収納システムを作ると使いやすくなります。靴以外のアイテムを収納することも想定したフレキシブルな収納システムがおすすめです。
3.換気を考慮して設計する
扉のあるクローズタイプのシューズクロークは、湿気や臭いがこもりがちです。放置すればカビや雑菌が繁殖する懸念があります。
とはいえ、扉を開ければ、生活空間に臭いが流れることも考えられます。換気扇や窓、換気システムの導入などクローク内の換気を意識した設計をしましょう。
シューズクロークはいる? いらない?
シューズクロークの設置には、メリットもありますが、そのメリットを充分に活かせないケースもあります。ここでは、シューズクロークを活かせるケースと、シューズクロークを充分に活用できないケースを紹介します。家族の人数やライフスタイルにあわせてシューズクロークの必要性を検討しましょう。
シューズクロークのメリット活かせる家庭
家族の人数が多い
家族の人数が多く、靴を始めとした必要な物が多い家庭には、収納力が高く整理しやすいシューズクロークは最適です。玄関の整理整頓にもなります。
スポーツやキャンプなどアウトドアの趣味がある
スポーツやアウトドア系の趣味を持つ人にシューズクロークは最適です。キャンプ道具やゴルフバック、サーフボード、自転車、野球道具など、何かとかさばる道具類を、部屋に土埃を持ち込むことなく保管ができて、いつでも道具を持ち出せます。
子どもがいる家庭
ベビーカは意外と大きく、玄関に置くと場所をとってしまいます。とはいえ、赤ちゃんに使うものなので、家の外には置きたくないものです。そこで、シューズクロークに置けば、安心して保管もできて外出時の利用もストレスなく行うことができます。
子どもが成長して、ベビーカーが不要になったときは、子どもの外遊び用の遊具を保管する場所としても活用できます。
靴をコレクションする趣味がある
靴をコレクションする趣味を持っている人は、充分な収納能力と自分のコレクションをキレイに整理整頓し並べることのできるシューズクロークは魅力的でしょう。
シューズクロークのメリットを活かしにくい家庭
家族が人数が少なく、かつ、スポーツやアウトドア系の趣味を持っていなくて保管する道具が少ない家庭は、シューズクロークの活用シーンが少ないでしょう。
シューズクロークの参考になる住宅展示場へ行こう
実際の間取りを見られて使い勝手を体感できるモデルハウスの見学は、生活のイメージを膨らませることができます。シューズクロークの参考になる住宅展示場に、ぜひ足を運んでみてください。
港北インター住宅公園
横浜市都筑区にある港北インター住宅公園は、広々とした住宅街のようなゆったりとした住宅展示場です。シューズクロークのあるモデルハウスもあります。ウォークインタイプとウォークスルータイプの両方があるので見比べてみましょう。
港北インター住宅公園
ハウジングリゾート「港北インター住宅公園」は、第三京浜・首都高速「横浜港北JCT」目の前という利便性いに加え、リゾート地の家並みのような広々ゆったりとした住宅展示場です。 住まいの最新モデルハウスが結集した当会場で、快適な住まいを実際に見て触れてください。
tvkハウジングたまプラーザ
横浜市青葉区、東急田園都市線のたまプラーザ駅南口にある住宅展示場です。こちらも、シューズクロークのあるモデルハウスがあります。玄関に入ったときの印象や動線を確認してみましょう。
tvkハウジングたまプラーザ
緑ゆたかな住宅街をつなぐ東急田園都市線・たまプラーザ駅南口より徒歩1分。 住宅展示場周辺には、ショッピングセンターなど商業施設が整っており、住んでみたい街として人気のひときわスタイリッシュな住宅エリアです。木々の織り成す景観を楽しみながら、散歩感覚で最新のモデルハウスを見学してください。
条件や使い勝手を考えて理想のシューズクロークを選ぼう
シューズクロークは、玄関のごちゃつきを解消してくれます。ウォークインタイプかウォークスルータイプか、扉は付けるのか付けないのか、収納スペースのタイプもI型・Ⅱ型など多いので、好みや設置場所に合うものを選びましょう。モデルハウスで実際のシューズクロークを見るのもおすすめです。