冷蔵庫収納家がアドバイス!使いやすくて環境に優しい「美人冷蔵庫」の作り方

2021年7月6日

「冷蔵庫は住人の姿を映す鏡」なんていわれますが、待望の戸建て新居に住む人も、もちろんこれからの人も、家族で楽しくハッピーに暮らすために、冷蔵庫はキレイに使いやすくしておきたいものですよね。

そこで!「美人冷蔵庫」を提唱する冷蔵庫収納家・福田かずみさんに、ひと目で何が入っているか分かり、毎日の家事をラクにしてくれるうえに地球環境にも優しい冷蔵庫の作り方を伝授してもらいました。

教えてくれるのは福田かずみさん

冷蔵庫収納家・食品ロス削減アドバイザー。結婚出産を経て、ふたりの子どもを育てながら、料理研究家フルタニマサエ氏のもと、料理教室や撮影を経験。全国料理学校協会の認定講師となる。その後、独自の理論に基づくストレスフリーな冷蔵庫整理収納術を構築。WEBサイト「美人冷蔵庫LIFE」を立ち上げ、料理家から冷蔵庫収納家に転身。食品ロスなど幅広い観点から、家庭の冷蔵庫を整える啓発活動に取り組む。

日々の家事のために整えておきたい冷蔵庫

私たちの生活を管理する上で欠かせない存在ですが、冷蔵庫の中がごちゃごちゃで、何がどれくらいあるか分からないなんて人も多いはず。
福田さんによれば「冷蔵庫を整えることは、生活を整えることにつながり、社会貢献にもつながる」とのこと。なぜ、冷蔵庫と生活、さらに社会がつながるのでしょうか。

「冷蔵庫を整えると、手際よく調理ができるようになります。つまり、時間を短縮することができるんですよ。ストレスを感じることなく家事を行えるので、セラピー効果がアップ。冷蔵庫を開けるたびに心地よさを感じるようになれば、自然と笑顔が増え、毎日を楽しく過ごすことができるようになるんです」

「さらに、冷蔵庫を整えることで何が・どこに・どれくらいあるか、をひと目で確認できるようになります。食材を無駄にすることなく、いわゆる食品ロスがなくなり、環境に優しい結果をもたらします。買い物をするときに、余分な食材を買うこともなくなり、食費の節約にも。

冷蔵庫を整えることは、生活や社会、すべての基盤を整えることの、もっとも身近な入口なんです」

美人冷蔵庫の作り方

①何がどこに、どれだけあるかを一目瞭然にする
②調理をスムーズに手助けしてくれる
③食品ロスがない

この3つを満たしていることが「美人冷蔵庫」の条件なのだとか。
冷蔵庫を美人に保つことで、日々の暮らしが豊かになり、環境にも優しい暮らしが送れるのであれば真似してみない理由はありませんよね!

それでは、「美人冷蔵庫」の作り方をレッスンしてもらいます。

ステップ1:冷蔵庫のビフォー・アフター写真を撮る

「まず、自宅の冷蔵庫がどのような状態だったか、ビフォーの写真を撮りましょう。その後、これからお伝えする方法で冷蔵庫内を整え、アフター写真を撮影。その写真をプリントして冷蔵庫の外側に貼ることで冷蔵庫内を見える化し、家族と共有するようにします。

こうしておくと、自分も家族も写真を見ればどこに何を戻せばいいか分かるので、違う場所に戻すことがなくなり、整理整頓した状態が長く続くようになります」

ステップ2:「臨時品」と「定番品」に分ける

「卵・納豆・豆腐・小麦粉・晩酌用のビールなど、普段から必ずストックしておく食品と、早めに消費するべき常備菜や嗜好品、いただきものなど臨時に冷蔵庫に入れるものを分け、それぞれスペースを決めておき、そこに収納するようにしましょう。

我が家の冷蔵庫でいえば、上の写真の黄枠部分が臨時品、赤枠が定番品置き場、青枠はゆとりスペースとして普段は空けておき、カレーを作ったときにお鍋ごと収納したり、ケーキを買ってきたり、なんてときのスペースにしています。

また、最上段は手が届きにくいので、消費期限が長いものを。中段から下段へと下がるにしたがって、消費期限が短くなるようにして入れておくと、早く使わなければならないものが目に付きやすくなり、フードロス予防につながります。

ちなみに、冷蔵室は満タンに詰めるのはNG。容量の7割程度に抑えることで、効率的に庫内が冷え、電気代の無駄遣いを防ぐことができます」

ステップ3:トレーを使って定位置を決める

「定番品を収納する場所は、100円ショップなどで売られているトレーを使うと便利。我が家ではヨーグルト、納豆、豆腐などをトレーに入れて収納し、引き出しやすい状態にしています。冷蔵庫のサイズに合わせて、長さの合うトレーを購入しましょう。

卵は冷蔵庫に備え付けの収納スペースが用意されていることが多いですが、デッドスペースが多いのが困りもの。
私は冷蔵庫の奥行きサイズに合ったトレーに収納して省スペースを実現。パックの上半分を外した状態で入れることで、パッと取り出しやすくできます」

ステップ4:調味料はまとめてポケットへ

「よく使う調味料は、まとめて扉のポケットへ。ケチャップやマヨネーズなど倒れやすいものは、写真のようにカップ(我が家ではプリンが入っていたカップを利用しています)に立たせて収納すると、転倒を防ぐことができ、スムーズに出し入れできます。

調味料類をこうしてまとめておくと、料理中にあれこれと探すことがなくなり、冷蔵庫を開けている時間を最小限に抑えることもできます」

「小さな調味料や、お弁当用の小袋調味料類はバスケットに入れて保存を。バスケットごとサッと取り出し、必要なものを選ぶことができ、忙しい朝がラクになります。

自家製のダシや調味液なども、まとめて扉のポケットへ。保存容器をそろえておくと分かりやすくなります。ほんのひと手間が、後々の快適につながりますよ!」

ステップ5:野菜室はタッパーやバスケットでゆとりを

「野菜室を上手に使うコツは、ゾーニングすること。仕切り過ぎてしまうと使いにくくなってしまうので、ザックリと。オススメは野菜の形に柔軟に対応してくれるソフトタイプのケースを使うこと。こちらも100円ショップなどで手に入ります。
引き出して上から見たときに、何がどこに入っているかひと目で分かるようにするといいでしょう。

上段は、小さい野菜を入れます100円ショップなどで売られている小さなバスケットを使うと、仕分けしやすくなります。
下段には、野菜以外のものも収納しています。かさばるお米やカツオ節・青のり・粉末のおからといった開封済みの乾物類など。調味料やお茶のポットも野菜室の空きスペースを活用して、冷蔵室にゆとりを持たせています」

「使いかけの野菜は、スノコを敷いたタッパーに入れて保存するととっても便利。スノコが水腐れを防いでくれるので日持ちが良くなり、わざわざラップにくるむ必要がないので、廃棄プラスチックを減らすことができます。

スノコが付いているタッパーがないときは、100円ショップのカットできるプラスチック製スノコを使ってください」

ステップ6:冷凍庫もゾーニングでフル活用

「冷凍庫も野菜室同様に、上から見てどこに何があるかがパッと分かるようにしておくと、時短かつエネルギーの無駄遣いを防ぐことができます。

冷凍庫の整理整頓に役立つのは、平型のタッパーやビニール製のストック袋。ラップにくるんだものをそのまましまうのではなく、何が入っているか記したタッパーに入れて保存することで、仕分けをしやすくなります」

「ちなみに冷凍庫は、10割収納が理想。凍った素材同士が互いを冷やし合うので、みっちり詰めておいたほうがエネルギー効率が高まります。

空きスペースには水を入れたタッパーを入れ、凍らせておくことをおすすめします。非常時にこの氷が保冷剤の代わりになって食材の傷みを防いでくれますし、災害時の飲み水にもなります。スペースに余裕がなくなったら取り出し、アイスピックで砕いてかち割り氷などに利用しましょう。
余った野菜を煮込んだスープをストックしておくのもいいですね。味付けはせずにおいて、私は献立に合わせてクリーム系やトマト味など、カップスープの素を加えてアレンジを楽しんでいます。時間がないときでも栄養バランスを整えてくれますよ」

住宅展示場で福田さんの冷蔵庫収納が体験できます!

福田かずみさんの冷蔵庫収納テクニックをリアルに体感したい!という人は「ハウジングプラザ新百合ヶ丘」「ハウジングプラザ二俣川」で定期的に行われている「めざせ!美人冷蔵庫 冷蔵庫収納活用セミナー」に参加してみては。

モデルハウスを巡れば、どのくらいのサイズの冷蔵庫を置くことができるかもチェック可能。住宅のプロが集う住宅展示場で、美人冷蔵庫づくりのヒントを見つけてみてください。

Photo_Koji Kanatani Interview & Text_Megumi Waguri Edit_Yasushi Shinohara