「希望通りの土地が見つからない」「希望するエリアの土地情報が少ない」
こんな方は「未公開の土地」も視野に入れてみてはいかがでしょうか。実は、条件の良い土地は公開されていないことも少なくないのです。
ここでは、未公開土地の定義や、未公開である理由を詳しく解説します。また、未公開の土地を探す方法も紹介しますので、土地探し中の方はぜひ参考にしてくださいね。
未公開土地の定義とは
未公開土地は、インターネット上の不動産ポータルサイトには公開されていません。ここでは、未公開土地の定義や、その特徴、探し方を説明します。
また「非公開土地」についても解説するので、あわせて覚えてみてください。
そもそも土地情報が公開されるまでの流れとは
売却予定の不動産情報(土地を含む)は、宅地建物取引業法に基づき「レインズ(REINS)」のデータベースに登録しなければなりません。
レインズとは、国土交通省の指定を受けた法人が運営する不動産物件情報交換のためのコンピューター・ネットワーク・システム「Real Estate Information Network System」の略称で、全国の不動産会社が加入し、会員となっています。
会員の不動産会社は、以下の期限までに不動産情報をレインズに登録する必要があります。
- 専属専任媒介契約:5日以内
- 専任媒介契約:7日以内
レインズに登録されると、会員の会社が検索・閲覧して不動産を顧客に紹介することが可能です。
上記の事情を踏まえ、未公開土地とはどのような土地なのか解説します。
未公開土地とは
未公開土地とは、未(ま)だ公開していない土地、つまり今後公開される可能性がある土地です。
以下がその一例です。
- レインズへの登録が義務付けられている5日または7日の猶予期間内
- レインズには登録されているが、不動産ポータルサイトへの登録は準備中
このような場合は、その時点では未公開土地になりますが、ゆくゆくは公開される可能性があるでしょう。詳しい背景などは、後に説明します。
非公開土地とは
ほかに「非公開土地」もあるので覚えておきましょう。非公開土地とは、将来的にも公開されず、インターネット上では完全に非公開の土地です。不動産ポータルサイトなどに掲載されず一般公開されていない土地、レインズに登録しなくてもよい一般媒介契約の土地などです。
土地が未公開・非公開になっている理由
不動産会社は、すべての土地情報を公開しているとは限りません。未公開・非公開のほうが多い会社もあるでしょう。
未公開・非公開にしている際には、何らかの理由があります。
公開する準備をしている
公開準備中の土地は、一時的に未公開状態です。
たとえば、不動産ポータルサイトに掲載するための写真をまだ撮影していなかったり、詳細な面積を調べている途中だったりするなど、公開するための情報が揃っていない場合です。
また、媒介契約をしたばかりで、レインズへの登録期限前である場合も該当します。
売主に事情がある
以下の例のように売主に事情があり、公開されていないことも珍しくありません。
■ 土地の売却をご近所さんに知られたくない
ご近所トラブル・離婚・借金などで土地を手放す売主は、近隣住民に知られたくないという売主もいらっしゃいます。こうした売主は、不動産会社を通じてレインズには登録しますが、不特定多数が見る不動産ポータルサイトでは非公開の設定としているので、最後まで公開されない場合があります。
■ 引っ越し前なので、多くの人に見学に来てほしくない
一般公開すると、見学したい人が詰めかけたり、勝手に見学に来たりする可能性もあります。引っ越し前だと、私生活を覗かれるリスクがあるでしょう。リスク回避のため、引っ越しが終わるまでは公開を控えることがあります。
好条件だから公開する必要がない
立地・価格・面積が好条件だと、一般公開しなくても買主が見つかる可能性が高いといえます。
不動産会社は、売買の仲介手数料で収益を得ています。自社で買主を見つけられれば、売主と買主の両方から手数料が入り収益が増えるので、未公開・非公開のままにする不動産会社も少なくないのです。
また、不動産ポータルサイトに掲載すると掲載料金がかかるので、自社の利益を確保ために好条件の土地はあえて一般公開しない会社も存在します。
一般媒介契約をしている
レインズに土地情報を登録しなければならないのは、売主と不動産会社の間で「専属専任媒介契約」か「専任媒介契約」が締結された場合です。「一般媒介契約」は、レインズへの登録義務はありません。
売主と一般媒介契約を締結すると、レインズに登録しなくてもよいため未公開土地となります。
未公開土地の特徴
未公開土地には、以下のような特徴があります。
一般に知られていないため競争率が低い
未公開土地は不動産ポータルサイトに掲載されておらず、一般にはあまり知られていません。
土地を探している人は、まずはインターネットで検索することが多いでしょう。しかしサイトに掲載されていない土地は見つけられないため、未公開土地は競争率が低い傾向にあります。
好条件の土地に出会える可能性がある
前述の通り、好条件の土地は広く宣伝しなくても買主が見つかる可能性が高いので、不動産ポータルサイトには掲載されていないことがあります。つまり未公開土地を探すことで、条件の良い土地に出会える可能性が高くなります。
なかなか希望に合った土地情報を見つけられない方は、未公開土地にも視野を広げるとよいでしょう。
土地情報を探すのが難しい
一方、デメリットとして、未公開土地を探すのは難しいという点が挙げられます。
レインズに登録されている土地情報は、会員の不動産会社しか検索・閲覧ができず、一般の人は確認できません。未公開土地を見つけたくても、自力で探すことが難しい点に注意しましょう。
ですが、未公開土地を見つけられないわけではありません。探し方のポイントを押さえると、一般に知られていない土地でも見つけられます。次章では、未公開土地を見つけるコツを教えますね。
未公開土地の探し方
情報の少ない未公開土地をどのように探せばよいのか、気になる方も多いのではないでしょうか。ここからは、未公開土地の探し方を3パターン紹介します。
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不動産会社に相談する
まずは不動産会社に相談してみましょう。不動産会社は、一般公開していない土地の情報を多く保有しています。
レインズに登録された未公開土地の情報は一般ユーザーは閲覧ができません。しかし、不動産会社は検索・閲覧できます。さらに、その不動産会社が独自の土地情報を保有していることも少なくありません。
不動産のプロは、立地・価格・面積・購入予定時期などの詳細をヒアリングした上で、豊富な土地情報の中から希望に合った土地を紹介してくれます。不動産会社によって保有している未公開土地情報が異なるので、複数の不動産会社に相談するのも一つの手です。
未公開土地を扱っているWebサービスを利用する
未公開土地を紹介してもらえるWebサービスに会員登録して利用する方法もあります。
たとえば、不動産情報を一括で取り寄せられるサービスです。希望条件を入力することで、条件に合った土地情報を複数の不動産会社から取り寄せられます。その中に未公開土地も含まれていることがあります。
複数の不動産会社に訪問することは大変です。しかし一括取り寄せサービスなら、複数の不動産会社が保有している未公開土地の情報をWebで簡単に入手できる点がメリットです。
また、不動産会社や不動産専門営業担当者と、不動産を購入したいユーザーをつなぐマッチングサービスもあります。
「どの不動産会社に未公開土地を探す相談をしたらよいのかわからない」という場合は、マッチングサービスで自身に合った不動産会社や営業担当者を探してみるとよいでしょう。
希望するエリアに足を運んで探す
希望するエリアが決まっているなら、実際に足を運んで土地を探す方法も有効です。希望エリア内を歩いて回ることで、空いている土地が見つかることがあります。立地や面積などを直接目で見て確認できるため、より希望にマッチした土地を見つけられるでしょう。
売却中の土地には、仲介している不動産会社の情報が記載された看板などが取り付けられていることが多いです。気に入った土地を見つけたら、その場で不動産会社に連絡して価格や面積などの詳細を聞くのも一手です。
ただし、実際に足を運んだからといって、必ずしも希望に合った土地が見つかるとは限りません。エリアを広げてみたり、日にちを空けて再訪問してみたりしてくださいね。
未公開土地を見つけて選択肢を増やそう
なかなか理想の土地にめぐり合えないときには、未公開土地や非公開土地も選択肢に入れましょう。良い条件が揃った土地が公開されていないことも多いため、視野を広げることで理想の土地と出会える可能性が高まります。
ただし、未公開土地は簡単には見つけられません。不動産会社に相談したり、Webサービスを利用したりするとよいでしょう。
また、希望エリアが決まっている場合は、エリア内を歩いて土地を探す方法もあります。ついでに、付近の住宅展示場への訪問もおすすめです。住環境を確認でき、実際に住んだ時のことをイメージしやすいでしょう。
未公開土地の情報を持っているハウスメーカーもあるので、住宅展示場で相談するのもよいですね。
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