転校手続きはいつまでにやるべき?ベストなタイミングと正しい順序を解説

2022年11月25日

引っ越しには多くの手続きが伴います。特に子どもがいる家庭で忘れてはいけないのが、転校手続きです。転校の経験がなければ「いつ」「誰に」「何を」伝えれば手続きができるのかわからず、不安になる人もいるでしょう。そこで本記事では、転校手続きの方法とタイミングについて、公立小中学校・私立小中学校・高校と学校の種類別に解説します。

先生にはいつ言う?転校手続きにかかる期間

まず気をつけたいのが、転校を伝えるタイミングです。転校手続きには、在学校で用意してもらう書類が必要です。書類を準備するためにかかる期間は学校によって違います。転校することが決まり次第、その旨をできるだけ早めに伝えると学校側の準備期間を確保でき、スムーズに手続きが進められるでしょう。余裕を持って1ヵ月前には連絡できるとよいですね。

具体的な最終登校日や新住所がなかなか決まらない場合でも、一度連絡を入れておくとよいでしょう。

公立小学校・中学校の転校手続き

公立小学校・中学校の転校手続き

引っ越しにより、通う公立小学校・中学校が変わる場合の転校手続きについてお伝えします。お住まいの地域によって手続きが少し異なる可能性もあるため、事前に自治体のホームページで確認しておくとよいでしょう。

同じ市区町村内で引っ越す場合

同じ市内、同じ区内などで引っ越す場合は、以下のような順番で手続きをしてください。

  1. 転校することを在学校に伝える
  2. 転入先の学校に連絡する
  3. 市区町村役場(役所)に転居届を提出する
  4. 転入先の学校で転校手続きをする

在学校で用意してもらう「在学証明書」は、転居届と一緒に自治体の窓口に提出します。転居手続きが完了すると「転入学通知書」を発行してもらえるので、転入先の学校へ持って行きましょう。

引っ越し先の校区がわからない場合は、自治体のホームページで調べるか、住所異動の窓口や教育委員会に問い合わせれば教えてもらえます。

県外など別の市区町村へ引っ越す場合

現住所とは別の市区町村に引っ越す場合は、交付される書類や手続きが少し異なります。以下の流れをよく確認し、漏れがないようにしましょう。

  1. 転校することを在学校に伝える
  2. 新住所地の教育委員会に連絡する
  3. 転入先の学校に連絡する
  4. 現住所の自治体の窓口に転出届を提出する
  5. 引っ越し先の自治体の窓口に転入届を提出する
  6. 転入先の学校で転校手続きをする

自治体が変われば、使用する教科書も変わる可能性があります。在学校で「在学証明書」と一緒に「教科用図書給与証明書」をもらいましょう。そして「転入学通知書」も併せすべての書類を転入先の学校に提出します。

海外から転入する場合

海外から日本の公立小学校・中学校へ転入する場合は、以下の流れで手続きを行ってください。

  1. 転校することを在学校に伝え、必要な手続きを済ませる
  2. 転入先の学校に連絡する
  3. 帰国したら市区町村役場(役所)で住民登録の手続きをする
  4. 教育委員会で手続きをする
  5. 転入先の学校で手続きをする

海外の学校で交付された書類がある場合は、教育委員会で手続きをする際にすべて持参しましょう。

越境通学を希望する場合

引っ越しは伴わないけれど通う学校を変更したいときは、越境通学という選択肢があります。ただし、越境通学が認められるためには自治体が提示している条件を満たす必要があります。離婚やいじめを含めさまざまな事情で転校をしたい場合は、在学校の校長や教育委員会に相談しましょう。

私立小学校・中学校の転校手続き

私立小学校・中学校の転校手続き

私立の小学校・中学校に関する転校手続きは、公立とは異なります。事前によく確認してから手続きを進めましょう。

公立から私立に転校する場合

私立への転校を希望しても、学校側に受け入れる枠がなければ編入できません。まずは編入が可能かどうかを問い合わせるところから始める必要があります。

編入が可能であれば試験や面接を受け、合格したら転校手続きに移ります。転校する旨を在学校に伝え、必要な書類を用意して新しい学校で手続きをしてください。

私立から公立に転校する場合

私立から公立の小中学校に転校する場合は、転校する旨を在学校に伝えれば「在学証明書」を発行してもらえます。住んでいる自治体の教育委員会に連絡し、指示通りに手続きを進めましょう。

高校の転校手続き

高校の転校手続き

高校からは義務教育ではなくなるため、転校手続きも変わります。まずは引っ越しが決まったことを在学校に伝え、「在籍証明書」「成績(単位取得)証明書」「在籍校校長の転学照会書」を発行してもらいましょう。

公立高校を希望する場合は新住所の教育委員会に、私立高校を希望する場合は都道府県私学協会に問い合わせ、転校可能な学校を確認します。転入試験を受け合格したら、必要な書類を持参して手続きをします。

学期途中での急な転校、最短で何日で手続きできる?

父親の転勤など、急に転校が決まることもあります。手続きだけで考えれば「転出届と在学校での手続き」に1日、「転入届と新しい学校での手続き」に1日と、最短で2日で終わるといえます。ですが、現実的ではありません。

書類を作成するのにかかる時間は学校によって違います。また、住民票の異動は新しい家に住めるようにならなければ手続きができません。新しい住まいを探したり引っ越しの準備をしたりする時間を考えれば、急いでも2日よりも長くかかるケースもあります。

急に転校が決まった場合はできるだけ早く在学校に伝え、いつ頃書類が揃うかを確認してから新しい学校に連絡しましょう。

スムーズに転校するために、やっておきたい3つのこと

スムーズに転校するために、やっておきたい3つのこと

無事に転校手続きが済んだら、子どもがスムーズに新しい環境に移れるようサポートしてあげることが大切です。親子で心の準備をするための方法を3つお伝えします。

お世話になった先生方へあいさつ回りをする

最終登校日には下校時間に合わせて親も出向き、担任の先生や校長先生、その他お世話になった先生方へあいさつをしましょう。その際、手土産として日持ちする菓子を持って行く人もいますが、受け取ってもらえないケースもあるので、なくても問題ありません。

転校先の学校での手続きには、子どもも連れて行く

新しい学校で手続きをする際は、子どもも連れて行っていいかどうかを事前に確認しておくことをおすすめします。一緒に行くことで、子どもは前もって学校や教室を見られる、通学路を覚えられる、担任の先生に顔を覚えてもらえるなどのメリットがあります。

必要な学用品を揃える

同じ公立、同じ市区町村内の学校でも、必要な学用品はそれぞれ違います。名札はもちろん、上履きや体操服、通学帽を指定している学校が多いです。

転入初日までに揃っていなくても登校はできますが、子どもは周りと違うことを不安に感じるかもしれません。特に中学校や私立校には制服があることが多く、自分だけ違う制服を着て行くことを嫌がる子もいるでしょう。

できる限り転校前から揃えておくと、新しい学校になじみやすくなります。制服や指定のかばんは取り寄せになると時間がかかるため、なるべく早く問い合わせてくださいね。

転校にベストな時期は春休み

住宅の購入を含め、これから引っ越しを検討する場合は、子どもが新しい学校になじみやすい時期を選ぶことも大切です。

転校にベストな時期は、新年度が始まる4月。つまり春休み中の引っ越しなら、子どもの負担を最小限にできます。勉強の進みにズレがなく、運動会や校外学習にも漏れなく参加できるため、時期を選べるのであれば春休みの引っ越しを検討しましょう。

引っ越しが決まったら早めに転校手続きを始めよう

引っ越しが決まったら早めに転校手続きを始めよう

公立でも私立でも、転校手続きは引っ越しが決まったらすぐに開始することが大切です。まずは連絡帳や電話で担任の先生に伝えるところから始めてくださいね。早め早めに手続きを済ませ、子どもが一日も早く新しい学校に慣れるようサポートしてあげましょう。